投稿日:2024年3月17日 | 最終更新日:2024年3月17日
インプラント治療のデメリットについて佐世保市の専門医が解説
義歯やブリッジ等の他の治療法と比較してメリットが多いインプラント治療。
ここでは、インプラントのメリットデメリットを説明しています 歯科治療インプラントにはどんなメリットデメリットがあるのでしょうか?
インプラントのメリットデメリットをきちんと理解して治療を受けましょう。
インプラントのデメリット
- 噛む感覚が自分の歯と違う
- 治療期間が比較的長い
- 状況により見た目がご自身の歯と異なることもある
- 食べ物が詰まりやすくなることがある
- 他の歯が抜けて義歯を入れる場合、インプラントに不用意にフックをかけるとインプラントにダメージが加わることがあるため、義歯のデザインが制限されることがある
- 外科処置に伴う痛み・腫れ・出血・合併症の可能性がある
- お手入れ次第で感染することがある
- 治療費が比較的高額
治療費が高額(保険適用外)
インプラントは原則的に保険適用外治療となるため、一般的な保険適用での歯科治療に比べると治療費がかなり高額になります。
また、インプラント治療終了後も定期的なメンテナンスが必要になるため、その分の治療費も把握しておく場合もあります。
医療費控除について
治療期間が長い
インプラント治療は通常の歯科治療をする場合よりも治療期間が長くなります。
通院回数は、手術以外にも抜歯や経過観察などで5回程度は必要になり、治療期間は症状によってそれぞれ異なりますが、稀に6ヶ月程度かかる場合もあります。
インプラントの治療期間が長いのは、挿入したインプラントが骨と結合するまで2ヶ月程度の時間を必要とするからです。
手術が必要
インプラント治療には、顎の骨に直接インプラントを埋め込む外科的手術が伴います。この手術は麻酔を用いることで痛みを大幅に軽減できますが、体への負担は避けられません。
この外科手術の必要性は、インプラント治療を選択する際の考慮点の一つです。治療には、顎の骨に穴を開ける手術が含まれるため、通常の歯科治療と比較して、心身への影響が大きくなりがちです。
手術中は麻酔の効果で痛みをほとんど感じることはありませんが、麻酔が解けた後の痛みや歯肉の腫れが生じることもあります。持病がある場合や薬を服用中の方、妊娠している方などは、治療を受ける前に必ず歯科医師と相談が必要です。
治療後のメンテナンスが必要
インプラント治療後は、定期的なメンテナンスが非常に重要です。このメンテナンス期間中には、インプラントの安定性、被せ物や噛み合わせの正確さが検査され、必要に応じて適切な対応が行われます。インプラントは自然の歯よりも細菌感染のリスクが高い傾向にあります。これは、インプラントが歯根膜を持たないことに起因します。歯根膜は、天然の歯根と歯肉の間に存在する組織で、細菌からの防御に役立ちます。そのため、インプラントは「インプラント周囲炎」という病気に罹りやすく、症状が進行するとインプラントの失敗に繋がることもあります。しかし、日常の口腔ケアを怠らず、3ヶ月に一度のペースで定期検診を受ければ、インプラント周囲炎を予防することが可能です。理想的には、メンテナンスを月に一度の頻度で受けることをお勧めします。インプラント治療だけでなく、定期的な歯科検診を習慣にすることで、一般的な歯の健康も維持しやすくなります。
感染症のリスクがある
インプラント治療後に最も警戒すべきは、インプラント歯周炎という感染症です。これは、骨を侵してしまう深刻な状態で、歯周炎に似た特性を持ち、進行するとインプラントの喪失に至る可能性があります。多くの場合、自覚症状が出る時点で病気は既に進行しているため、治療完了後も定期的なメンテナンスを受け、予防に努めることが重要です。また、インプラント治療を受ける際は、感染予防策に注力しているクリニックを選ぶことが望ましく、使い捨ての滅菌製品を使用しているなどの対策がされている場所が推奨されます。
インプラント治療時に起こりうるトラブルとは?
インプラント治療を受けたいけれど、「失敗したら怖い」「腫れて痛いのでは」など、リスクを恐れている人も多いのではないでしょうか。
インプラント手術自体が原因になる代表的なトラブルを、具体的にご説明します。
神経を損傷してしまうことがある
インプラント手術には、高度な技術が必要となります。
下顎臼歯部にインプラントを埋入する場合、歯周病などによって著しい骨吸収が起きている場合、下顎管(神経と血管の通った管)までの距離が近くなります。これに気をつけて手術をしないと、神経を傷つけて、顔の神経麻痺や味覚障害を引き起こしかねません。
当院ではインプラントを希望する全ての患者さんのCTを撮り、インプラント専用の解析ソフトを用いて専門医が診査・診断し手術用のガイドを製作し手術しますので、安心・安全な手術を受けることができます。
顎の骨とうまく結合しない
顎の骨とうまく結合しない場合、いくつかの原因が考えられます。
・初期固定の不足(固定が甘い)
・骨幅、骨密度の不足
・免荷期間の問題(インプラント体と顎骨が結合するまでの期間のこと)
骨とインプラントがうまく結合(オッセオインテグレーション)しないと、せっかく埋め込んだインプラントが抜けてしまう原因にもなります。
当院では審査診断をきちんと行い、このようなことがないように対応しております。
腫れや内出血が引かない
インプラント手術は外科治療を伴います。その時に血管を傷つけ、内出血やあざができる場合があります。
通常は術後3日目をピークに腫れはだんだん引き、頬が変色した場合も2週間ほどで完全に元に戻ります。
インプラント治療後に起こりうるトラブルとは?
術後もブラッシングが甘かったり、メンテナンスなどの通院を怠ると、さまざまなトラブルの元になってしまいます。
インプラントがカタつく
何かしらの原因がある場合、上部構造物がカタつく、回ることがあります。
インプラントの上部構造の装着の仕方には2種類あり、対応が異なります。
①セメントでくっつけるタイプ(セメントリテイン)
②ネジで止めるタイプ(スクリューリテイン)
当院ではどちらの場合でも対応可能です。他院で治療したものでも構いませんので、そのような症状が見られた場合はすぐにご連絡ください。
放置していると、ネジが曲がる、インプラントの内部構造に傷がつく、元に戻らなくなることがあります。また、中ネジが折れてしまう恐れもあります。
上部構造物が欠けた(チッピング)
チッピングは、歯や被せ物が欠ける現象を指します。ジルコニアをインプラントの上部構造に使用することは、従来の金属に白い材料を盛る方法と比べ、比較的新しいアプローチです。従来の方法では、被せ物が欠けやすいという問題がありました。欠けると、噛み合わせの不一致、舌の傷つき、見た目の悪化など様々な問題が発生します。他の歯科医院での治療であっても、問題が発生した場合は遠慮なくご相談ください。
歯茎が腫れた(インプラント周囲粘膜炎)
インプラント周囲粘膜炎とは、インプラント周囲炎の一種で、骨吸収が始まる前段階です。
いくつか理由が考えられますので、悪化しないよう放置せずにご相談ください。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎は、インプラントの周りの骨がレントゲンで見て吸収され、炎症が生じている状態をさします。この状態をそのままにしておくと、骨の吸収が進行し、最終的にはインプラントが固定できなくなり、除去するか、自然に脱落してしまう可能性があります。また、歯茎が黒く見えたり、長く見えたりする症状も、インプラント周囲炎による歯茎の薄化が原因かもしれません。たとえ他の医院で治療を受けたインプラントであっても問題ありません。問題が発生した際は、早めにご相談いただければ、当院で適切な対応が可能です。早期の発見と治療が重要です。
まとめ
インプラント治療は、天然の歯と同様にしっかり噛むことが可能で、見た目も自然なため、笑顔をより自信を持って見せることができるなど、他の治療法では得られない多くの利点があります。確かに、保険が適用されない自費治療であるため費用が高くなり、治療期間も長期にわたるなどのデメリットはありますが、これらを上回る大きなメリットが存在します。
さらに、保険適用外の治療であっても、医療費控除の制度を利用すれば、該当する場合には所得税の還付や住民税の軽減が受けられる可能性があります。スマイルライン歯科・佐世保矯正歯科では、不安や疑問をお持ちの方のために無料カウンセリングを提供していますので、ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
インプラントのメリット
- しっかりと強く咬める
- 自信を持って笑うことができる
- 左右でバランスよく咬める
- 取り外す面倒がない
- 食物をおいしく味わえる
- 自分の歯にかかる負担が減って長持ちする
- 歯ごたえある食物の食感が楽しめる
- 隣の歯を削る必要がない
- 発音が安定して会話を楽しめる
- インプラントはむし歯にならない
- 見映えよく仕上げることが可能
インプラントの欠点は何ですか?
審美的には、インプラントは自然な見た目を提供する優れた方法ですが、いくつかの欠点もあります。以下はいくつかの一般的な欠点です:
手術的な手続き:インプラントの挿入は手術的な手続きであり、リスクや合併症が存在する可能性があります。
費用:インプラントは他の歯の治療法に比べて高価です。手術や追加の治療が必要な場合、さらなる費用がかかることもあります。
時間のかかる治療:インプラント手術は時間のかかる手続きであり、治療全体に数か月から数年かかる場合があります。
骨の量や質の問題:インプラントを受けるには、十分な骨の量や質が必要です。骨の不足や質の問題がある場合、骨移植などの追加の手術が必要になることがあります。
感染のリスク:手術時や治療後に感染のリスクがある可能性があります。適切な衛生対策を取ることは非常に重要です。
これらは一般的な欠点であり、個々の状況によって異なる場合があります。自身の歯の状態や治療目標に基づいて、歯科医師と相談し、最適な選択肢を見つけることが重要です。
インプラントをしない方が良い人は?
インプラントをしない方が良いのは、以下のような場合です。
妊娠中または授乳中の場合
進行性の歯周病がある場合
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはエイズに感染している場合
無制限の収縮性出血障害がある場合
重度の骨粗鬆症がある場合
ただし、インプラントを受けるかどうかは、歯科医師との相談が重要です。医師が個別の状況を評価し、最適な治療計画を提案してくれるでしょう。
インプラントは何年くらい持ちますか?
インプラントの寿命は約10~20年と長く、入れ歯やブリッジと比べて長期間使用できます。 ただし、口腔ケアやメンテナンスを怠ると、寿命が短くなります。 インプラントを長持ちさせるには、日々のブラッシングを徹底し、歯科医院でのメンテナンスをしっかり受け、お口の健康を保つことが重要です。ただし、個人の口腔状態や生活習慣によっても異なる場合があります。具体的な持続年数については、歯科医師と相談してください。
インプラントは体に悪影響はありますか?
一般的には、インプラント手術は安全であり、体に悪影響を与えることは少ないです。ただし、手術後の適切なケアや口腔衛生の維持が重要です。医師との相談をおすすめします。
インプラントは30年も使えますか?
インプラントは、うまく付き合えば長期的に使用することができます。 しかし、使用方法や歯科医院の選び方を間違ってしまうと、年を取った時にインプラントの平均寿命よりも早く、脱落してしまう可能性があります。実際当院での私の手術例では30年以上経過したケースもあります。
医療法人博道会 理事長 大串 博
「鬼手仏心」 歯科医になった時からの座右の銘です。生涯常に研修・精進、メスを置くまで終わりのない道を登り続けます。
厚生労働省認定 歯科医師臨床研修指導医
日本歯周病学会認定 歯周病専門医
日本口腔インプラント学会認定 インプラント専門医
日本臨床歯周病学会認定 歯周病指導医・歯周インプラント指導医
日本顎咬合学会認定 噛み合わせ認定医
日本アンチエイジング歯科学会認定医
日本歯科医師会認定産業歯科医
インビザラインダイヤモンドドクター
日本審美歯科学会会員
日本血液学会会員
点滴療法研究会会員 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本歯科医師会会員